歯科NEWS

2011.12.10更新

自宅で家族を介護する市民向けに、京都市が医療団体の協力で始めた「医療的ケア・口腔(こうくう)ケア実践講習会」が人気を集めている。来年2月までに設けた6講座は、いずれも募集直後に定員に達した。住み慣れた自宅での介護を望む高齢者は増えており、市は「正しい技術や知識を身につけて家族をケアしたいというニーズが高まっている」とみている。

講習会は、医療行為に位置づけられるたん吸引などの技術と、口内を清潔に保つ方法を専門家の指導で学んでもらうのが狙い。市が府医師会、府歯科医師会、府看護協会、府歯科衛生士会の協力を得て初めて企画した。

すでに11月に胃ろうの管理と口腔ケアの講習会を2回開催したほか、12月には7、15日に床ずれ予防と口腔ケアの講習会を開講。

来年2月8、16日はたん吸引と口腔ケアの講習会を予定している。各回の定員20人は募集開始直後にいっぱいになる人気ぶりで、すでに受付を終えた。将来の家族介護に備えて技術を身につけておきたいとする市民の申し込みもあったという。

7日の講習会では、看護師と歯科医師の講義に続き、受講者が床ずれを防ぐ体位変換の方法やスポンジブラシなどを使う口内清掃の手法を学んだ。妻の在宅介護に備えて受講した西京区の増田榮宏さん(70)は「病院でも教えてもらったが、実践を交えた指導は大変参考になる」と話していた。

市によると、住み慣れた自宅で過ごしたいという高齢者の増加で、居宅介護サービスの利用者は2000年から10年までの間に2・4倍に増えている。保健医療課は「専門家の指導で正しい技術を身につける機会を来年度も検討したい」としている。

投稿者: 藤村医院

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