気になる口臭や歯の汚れを防ぐ、歯のエチケットには欠かせない歯磨きの習慣が変わりつつある。電動歯ブラシやマウスウォッシュ、デンタルフロスなど、これまでの一般的な歯ブラシに代わる商品を駆使したトータルケアへの関心が高まってきているようだ。
ライフメディアが5月下旬に実施した、日本全国の10代から60代の男女1200名を対象とする調査結果によれば、「毎日必ず歯を磨いている」との回答者は98.9%に上った。「1日に2回以上は歯を磨くようにしている」との回答も73.7%に達している。「たとえ虫歯がなくても、お金を出して歯の定期健診を受けるようにしている」と答えた人が過半数を占めており、頻度の差こそあれ、有料歯科検診の利用にも積極的な男女が少なくないことが明らかになった。
ちなみに歯を美しく健康に保つために用いられているもののトップは「歯ブラシ」で、利用者は全体の9割を超えた。意外に利用度が低かったのは「歯磨き粉」で、半数近くの人が歯磨き粉を使わずに歯ブラシを用いている。一方、新たな傾向として判明したのは、歯ブラシと歯磨き粉という組み合わせではなく、「デンタルリンスやマウスウォッシュなどの洗口液」「歯間ブラシ」「デンタルフロスまたは糸ようじ」といった利用者が増加しており、いずれも「電動歯ブラシ」や「音波・超音波歯ブラシ」の利用者の割合を上回った。
やや電動歯ブラシ系の商品に伸び悩みが感じられるものの、マイボイスコムが1万2300人を超える男女を対象にインターネット上で4月上旬に実施したアンケート調査では、「歯磨きには電動歯ブラシを使いたいと考えている」との回答者が全体の39%に上り、高い関心を集めているのは事実のようだ。
しかし、電動歯ブラシの購入時に重視したい点のトップに挙がったのは「入手しやすい本体価格」で、「替ブラシの価格の手頃さ」も上位を占めている。「歯垢の落ちやすさ」など、電動歯ブラシならではの性能面よりも、販売価格のほうにウェイトを置く人が少なくないことも明らかとなっている。
口臭や虫歯予防に歯のトータルケアは重要な位置を占めており、歯磨きのスタイルにも変化が見られ始めているが、毎日使用するものであるだけに、新製品の導入は購入のしやすさというポイントが大きく関係してくるのかもしれない。
(加藤 秀行 、 湯木 進悟)